[ 特集 ]
社会人野球は魅力あふれるスポーツ!名門「トヨタレッドクルーザーズ」のキャプテン逢澤選手にインタビュー
野球観戦と言えば、プロ野球(NPB)や甲子園が代表的ですが、密かに人気を集めているのが「社会人野球」です。企業に所属している社員が選手を務め、企業や地域の代表となり、全国のチームが日々対戦しています。
世界のトヨタとも称される「トヨタ自動車」の硬式野球部「トヨタレッドクルーザーズ」は、77年の伝統があり数々の大会で優勝している強豪チームです。
社会人野球はプロ野球、甲子園などと異なる特徴があるため、スポーツ観戦、野球観戦が好きな方は、一度観戦するとハマるかもしれません。
今回は、社会人野球を楽しむポイントを解説します。また、トヨタレッドクルーザーズのキャプテン・逢澤崚介選手に、チームの強さの秘訣や社会人野球の楽しさについてお話を伺いました。
CONTENTS
社会人野球とは?
社会人野球は、企業や団体に所属する選手たちが競技する野球リーグです。プロ野球と異なり、選手たちは日々の仕事をこなしながら野球の練習と試合に励むため、まさに「働く人の野球」とも言えるでしょう。企業や地域を背負って戦う姿は、プロ野球とは違う魅力があり、野球ファンを中心に幅広く支持されています。
社会人野球は、大きく分けて「企業チーム」と「クラブチーム」に分かれており、全国に340ほどある社会人野球チームのうち、97チームが「企業チーム」です。社会人野球では、試合があれば社員が一丸となり応援へ向かうこともあり、企業の活性化や社員のモチベーションを高めることにもつながっています。
「都市対抗」「日本選手権」は社会人野球の2大タイトル
社会人野球では、12月〜2月頃のオフシーズンを除き、年間を通してさまざまな試合が行われます。そのなかでも特に注目を集める夏の「都市対抗野球大会」と秋の「社会人野球日本選手権大会」は、社会人野球の2大タイトルです。選手たちは春と秋の大会での優勝を目指して技術を磨いています。
特に社会人野球の最高峰とも呼ばれる「都市対抗」は、各地の予選を勝ち抜いた社会人野球の代表チームが東京ドームに集結。レベルの高い熱戦もさることながら、各チームの応援も大きな見どころです。
チームの応援席前方には、応援団用のステージが用意され、企業の特色を活かした応援が行われます。息の合った応援や声援のコール、吹奏楽団の演奏、チアリーディングなど、大勢の想いが一つになった迫力あふれる応援を体感できるのも、社会人野球の醍醐味です。
創設から77年の歴史を持つトヨタレッドクルーザーズ
トヨタレッドクルーザーズの歴史は、1947年に硬式野球部経験者の有志14名が集結し創部したことから始まります。徐々に力をつけ、都市対抗は26回出場し過去2度制覇、日本選手権は今年で20大会連続23回出場を果たし、過去6回制覇しています。
また、これまでに古田敦也氏や祖父江大輔氏、源田壮亮氏、栗林良吏氏など、日本プロ野球で活躍する選手を輩出しているチームです。
トヨタレッドクルーザーズのキャプテン・逢澤崚介選手にインタビュー!
1996年9月26日生まれ、岡山県岡山市出身。小学1年生からソフトボールをはじめ、明治大学では1年時から試合に出場し経験を積む。大学卒業後はトヨタ自動車に入社、2023年第30回BFAアジア選手権では日本代表に選抜。2024年8月にキャプテンに就任し、試合では4番打者としてチームを引っ張る。
– トヨタレッドクルーザーズの選手のみなさんは、スポーツ選手であると同時に、企業に勤める会社員でもあります。普段の練習とお仕事はどのようなバランスですか?
逢澤選手:「出勤するタイミングや日数は時期によって変わりますが、試合の時期は週5〜6日は練習に費やしています。基本的には日曜日が休みで、平日は午前9〜12時が全体練習、午後は自分の課題練習です。会社に出勤するのは、月に1回程度のときもあれば週に2〜3日のときもあり、シーズンオフのときは毎日会社に行っています。会社ではあいさつ回りや大会の報告などを行うことが多いですね。」
– 公式サイトの試合スケジュールを見ると、かなり頻繁に試合があるようですが、オープン戦、公式戦を含めて年間の試合数はどれくらいですか?
逢澤選手:「年間で70〜80試合程です。」
2024年8月、キャプテン交代で新体制へ
– 2024年8月、キャプテンに就任されました。任命されたときの気持ちはいかがでしたか。
逢澤選手:「前キャプテンの北村祥治さんがキャプテンに就任したときに、私も副キャプテンになっていたので、そのときから次は自分がやるという意識を持っていました。8月に監督から突然『キャプテンになってほしい』と言われましたが、いつでもできる準備をしていたので大きな驚きはありませんでした。」
– キャプテンになって、特に意識していることを教えてください。
逢澤選手:「チーム内のコミュニケーションを特に意識しています。キャプテンに就任する際に『遠慮のないチームにしよう』と言ったのですが、選手だけでなくコーチやスタッフも含めて全員で実現できているように思います。コーチやスタッフは選手からの意見を汲み上げて練習メニューに入れてくれたり、選手間では先輩・後輩がお互い練習に誘い合ったり、良い雰囲気です。トヨタはもともと選手同士で教え合う風潮があったので、それがいい形で活性化したように思います。」
– キャプテン就任後、ご自身の気持ちや行動に変化はありましたか?
逢澤選手:「はい。これまでは『自分が打つ』ことに重きをおいていましたが、キャプテンになってからはチーム全体を見るようになり、小さな変化にも敏感になりました。チームの流れが良くないと感じたら声かけ、コミュニケーションをはかり、良いときも悪いときも活気のあるチームづくりを心がけています。
自分個人としても、悩んでいる選手がいたら話を聞いてアドバイスをするなど、積極的にみんなに声をかけるようにしています。自分視点から俯瞰視点になったのは大きな変化ですね。」
トヨタレッドクルーザーズの強みと今後の課題
– チームの強みを教えてください。
逢澤選手:「何と言っても投手力です。投手陣の層が厚いので、それありきの守備を準備します。トヨタの強さは失点を少なく勝つこと。投手力と守備力は社会人野球でもトップクラスだと自負しています。」
– レッドクルーザーズの強さの秘訣とも言えますね。では、これからの課題、さらに強化していきたいポイントはどこでしょうか。
逢澤選手:「長打力です。トヨタは守備がうまくて足の速い選手が多いなかで、長打力があればさらに強みになると思います。長打力+得点力が今後のカギですね。そこを伸ばすためにどう改善していくか、現在試行錯誤しているところです。」
– チームの長打力を伸ばすうえで、逢澤選手が期待するキープレイヤーはいますか?
逢澤選手:「今年1年目の熊田任洋です。中距離のアベレージヒッターですが、打線のキーマンとして期待しています。熊田だけでなく、今年は何人もの若手選手が台頭してきたことがチームとしても大きな変化です。これから大舞台での経験を積んで、さらに活躍していってほしいと思います。」
名門社会人野球チームとしてのこれから
– 逢澤選手が感じる、社会人野球ならではの魅力とはなんですか?
逢澤選手:「やっぱり応援ですね。従業員の方々をはじめ、豊田市全体が本気になって応援してくれるので、そのなかでプレーできるのは選手にとっても楽しみです。特に都市対抗は満員の観客に囲まれてプレーさせてもらえるので、本当に大きな励みになりますし、このために野球をしているといっても過言ではないほど、力をもらっています。
社会人野球に興味を持っていただけた方は、試合のときにぜひ応援に注目してもらえればと思います。」
– 今年の総括と、来年の目標を教えてください。
逢澤選手:「先程もありましたが、若手の選手が台頭してきたことは今後に向けて良い材料になると思います。若い人が活躍するとチームにも活気が出るので良い刺激です。とはいえ中堅やベテラン選手もまだまだ負けないと思って取り組んでいるので、そのバランスがうまくいくともっと強くなれると思っています。10年後も名門と言われるチームであるために、できることは何でもやっていきます。」
逢澤選手:「また、来年の目標は都市対抗での優勝です。来年は予選からのスタートとなるので、まずはそこに向けて全力で準備していきます。」
– 貴重なお話をありがとうございました!これからも応援していきます!
社会人野球は面白い!トヨタレッドクルーザーズを応援しよう
社会人野球は、ハイレベルなプレーが見られるだけでなく、パワフルな応援が大きな特徴です。また、限られた時間のなかでの練習・試合の準備が求められるため、独自の戦術や戦い方が生まれ、個性的なプレーや予測不可能な展開が見られるのも魅力と言えます。社会人野球にはプロ野球にはない工夫が詰まっているため、興味がある方はぜひ観戦してみては。
トヨタレッドクルーザーズの試合や練習は基本的に見学可能です。ハイレベルの野球を間近で見ることができるので、野球少年・少女は身近なお手本として訪れてみるのも良いかもしれません。詳しくは「トヨタレッドクルーザーズ」のホームページやインスタグラムで予定をチェックしてくださいね。
※掲載情報は取材時のものになります。
最新情報は、対象施設・店舗の公式ホームぺージ等でご確認ください。
社会人野球とは?
[caption id="attachment_8285" align="alignnone" width="999"] トヨタスポーツセンター第1野球場[/caption] 社会人野球は、企業や団体に所属する選手たちが競技する野球リーグです。プロ野球と異なり、選手たちは日々の仕事をこなしながら野球の練習と試合に励むため、まさに「働く人の野球」とも言えるでしょう。企業や地域を背負って戦う姿は、プロ野球とは違う魅力があり、野球ファンを中心に幅広く支持されています。 社会人野球は、大きく分けて「企業チーム」と「クラブチーム」に分かれており、全国に340ほどある社会人野球チームのうち、97チームが「企業チーム」です。社会人野球では、試合があれば社員が一丸となり応援へ向かうこともあり、企業の活性化や社員のモチベーションを高めることにもつながっています。「都市対抗」「日本選手権」は社会人野球の2大タイトル
社会人野球では、12月〜2月頃のオフシーズンを除き、年間を通してさまざまな試合が行われます。そのなかでも特に注目を集める夏の「都市対抗野球大会」と秋の「社会人野球日本選手権大会」は、社会人野球の2大タイトルです。選手たちは春と秋の大会での優勝を目指して技術を磨いています。 [caption id="attachment_8278" align="alignnone" width="937"] トヨタレッドクルーザーズの応援団・チアリーダー[/caption] 特に社会人野球の最高峰とも呼ばれる「都市対抗」は、各地の予選を勝ち抜いた社会人野球の代表チームが東京ドームに集結。レベルの高い熱戦もさることながら、各チームの応援も大きな見どころです。 チームの応援席前方には、応援団用のステージが用意され、企業の特色を活かした応援が行われます。息の合った応援や声援のコール、吹奏楽団の演奏、チアリーディングなど、大勢の想いが一つになった迫力あふれる応援を体感できるのも、社会人野球の醍醐味です。創設から77年の歴史を持つトヨタレッドクルーザーズ
トヨタレッドクルーザーズの歴史は、1947年に硬式野球部経験者の有志14名が集結し創部したことから始まります。徐々に力をつけ、都市対抗は26回出場し過去2度制覇、日本選手権は今年で20大会連続23回出場を果たし、過去6回制覇しています。 また、これまでに古田敦也氏や祖父江大輔氏、源田壮亮氏、栗林良吏氏など、日本プロ野球で活躍する選手を輩出しているチームです。トヨタレッドクルーザーズのキャプテン・逢澤崚介選手にインタビュー!
[caption id="attachment_8284" align="alignnone" width="1024"] <逢澤崚介(あいざわりょうすけ)選手(外野手)>[/caption] 1996年9月26日生まれ、岡山県岡山市出身。小学1年生からソフトボールをはじめ、明治大学では1年時から試合に出場し経験を積む。大学卒業後はトヨタ自動車に入社、2023年第30回BFAアジア選手権では日本代表に選抜。2024年8月にキャプテンに就任し、試合では4番打者としてチームを引っ張る。 - トヨタレッドクルーザーズの選手のみなさんは、スポーツ選手であると同時に、企業に勤める会社員でもあります。普段の練習とお仕事はどのようなバランスですか? 逢澤選手:「出勤するタイミングや日数は時期によって変わりますが、試合の時期は週5〜6日は練習に費やしています。基本的には日曜日が休みで、平日は午前9〜12時が全体練習、午後は自分の課題練習です。会社に出勤するのは、月に1回程度のときもあれば週に2〜3日のときもあり、シーズンオフのときは毎日会社に行っています。会社ではあいさつ回りや大会の報告などを行うことが多いですね。」 - 公式サイトの試合スケジュールを見ると、かなり頻繁に試合があるようですが、オープン戦、公式戦を含めて年間の試合数はどれくらいですか? 逢澤選手:「年間で70〜80試合程です。」2024年8月、キャプテン交代で新体制へ
- 2024年8月、キャプテンに就任されました。任命されたときの気持ちはいかがでしたか。 逢澤選手:「前キャプテンの北村祥治さんがキャプテンに就任したときに、私も副キャプテンになっていたので、そのときから次は自分がやるという意識を持っていました。8月に監督から突然『キャプテンになってほしい』と言われましたが、いつでもできる準備をしていたので大きな驚きはありませんでした。」 - キャプテンになって、特に意識していることを教えてください。 逢澤選手:「チーム内のコミュニケーションを特に意識しています。キャプテンに就任する際に『遠慮のないチームにしよう』と言ったのですが、選手だけでなくコーチやスタッフも含めて全員で実現できているように思います。コーチやスタッフは選手からの意見を汲み上げて練習メニューに入れてくれたり、選手間では先輩・後輩がお互い練習に誘い合ったり、良い雰囲気です。トヨタはもともと選手同士で教え合う風潮があったので、それがいい形で活性化したように思います。」 - キャプテン就任後、ご自身の気持ちや行動に変化はありましたか? 逢澤選手:「はい。これまでは『自分が打つ』ことに重きをおいていましたが、キャプテンになってからはチーム全体を見るようになり、小さな変化にも敏感になりました。チームの流れが良くないと感じたら声かけ、コミュニケーションをはかり、良いときも悪いときも活気のあるチームづくりを心がけています。 自分個人としても、悩んでいる選手がいたら話を聞いてアドバイスをするなど、積極的にみんなに声をかけるようにしています。自分視点から俯瞰視点になったのは大きな変化ですね。」トヨタレッドクルーザーズの強みと今後の課題
- チームの強みを教えてください。 逢澤選手:「何と言っても投手力です。投手陣の層が厚いので、それありきの守備を準備します。トヨタの強さは失点を少なく勝つこと。投手力と守備力は社会人野球でもトップクラスだと自負しています。」 - レッドクルーザーズの強さの秘訣とも言えますね。では、これからの課題、さらに強化していきたいポイントはどこでしょうか。 逢澤選手:「長打力です。トヨタは守備がうまくて足の速い選手が多いなかで、長打力があればさらに強みになると思います。長打力+得点力が今後のカギですね。そこを伸ばすためにどう改善していくか、現在試行錯誤しているところです。」 - チームの長打力を伸ばすうえで、逢澤選手が期待するキープレイヤーはいますか? 逢澤選手:「今年1年目の熊田任洋です。中距離のアベレージヒッターですが、打線のキーマンとして期待しています。熊田だけでなく、今年は何人もの若手選手が台頭してきたことがチームとしても大きな変化です。これから大舞台での経験を積んで、さらに活躍していってほしいと思います。」名門社会人野球チームとしてのこれから
- 逢澤選手が感じる、社会人野球ならではの魅力とはなんですか? 逢澤選手:「やっぱり応援ですね。従業員の方々をはじめ、豊田市全体が本気になって応援してくれるので、そのなかでプレーできるのは選手にとっても楽しみです。特に都市対抗は満員の観客に囲まれてプレーさせてもらえるので、本当に大きな励みになりますし、このために野球をしているといっても過言ではないほど、力をもらっています。 社会人野球に興味を持っていただけた方は、試合のときにぜひ応援に注目してもらえればと思います。」 - 今年の総括と、来年の目標を教えてください。 逢澤選手:「先程もありましたが、若手の選手が台頭してきたことは今後に向けて良い材料になると思います。若い人が活躍するとチームにも活気が出るので良い刺激です。とはいえ中堅やベテラン選手もまだまだ負けないと思って取り組んでいるので、そのバランスがうまくいくともっと強くなれると思っています。10年後も名門と言われるチームであるために、できることは何でもやっていきます。」 [caption id="attachment_8283" align="alignnone" width="1024"] 試合後も自主練習を続ける選手[/caption] 逢澤選手:「また、来年の目標は都市対抗での優勝です。来年は予選からのスタートとなるので、まずはそこに向けて全力で準備していきます。」 - 貴重なお話をありがとうございました!これからも応援していきます!社会人野球は面白い!トヨタレッドクルーザーズを応援しよう
[caption id="attachment_8281" align="alignnone" width="1024"] レッドクルーザーズのクラブハウスに飾られている記念品の数々[/caption] 社会人野球は、ハイレベルなプレーが見られるだけでなく、パワフルな応援が大きな特徴です。また、限られた時間のなかでの練習・試合の準備が求められるため、独自の戦術や戦い方が生まれ、個性的なプレーや予測不可能な展開が見られるのも魅力と言えます。社会人野球にはプロ野球にはない工夫が詰まっているため、興味がある方はぜひ観戦してみては。 トヨタレッドクルーザーズの試合や練習は基本的に見学可能です。ハイレベルの野球を間近で見ることができるので、野球少年・少女は身近なお手本として訪れてみるのも良いかもしれません。詳しくは「トヨタレッドクルーザーズ」のホームページやインスタグラムで予定をチェックしてくださいね。 ■トヨタレッドクルーザーズの公式サイトはこちら ■トヨタレッドクルーザーズの公式インスタグラムはこちら ※掲載情報は取材時のものになります。 最新情報は、対象施設・店舗の公式ホームぺージ等でご確認ください。
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