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空中の格闘技・ハンドボールを観戦しよう!トヨタ車体男子ハンドボール部「ブレイヴキングス刈谷」の選手へインタビュー

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いずの うみ いずの うみ 2025/02/04
空中の格闘技・ハンドボールを観戦しよう!トヨタ車体男子ハンドボール部「ブレイヴキングス刈谷」の選手へインタビュー

「空中の格闘技」とも呼ばれるハンドボールは、スピーディーな試合展開や素早い攻守の切り替え、空中で静止しているような華麗なシュートが魅力のスポーツです。愛知県は全国で最も競技人口が多いと言われ、中学・高校の部活動にハンドボールがあったという方も多いのではないでしょうか。

今回は、国内トップを争う名門チーム・トヨタ車体男子ハンドボール部「ブレイヴキングス刈谷」の強さに迫ります。パリオリンピックの日本代表選手に選ばれた杉岡尚樹選手・吉野樹選手にもインタビューさせていただきました。

CONTENTS

    ハンドボールはどんな競技?

    写真提供:ブレイヴキングス刈谷

    写真提供:ブレイヴキングス刈谷

    ハンドボールは、バレーボールよりも小さなボールを使用する競技で、「走る・投げる・跳ぶ」の3つの要素がそろったスポーツです。コート上には1チーム7人の選手が出場し、前半・後半各30分で得点の多さを競います。試合中は何度でも選手交代が可能です。

    ゴールから6mの距離には半円の線が引かれ、半円の中にはゴールキーパーのみ入ることができます。そのため、シュートの際にはラインを飛び越えながら、着地する前にボールを投げるのが主流です。この大胆なシュートがハンドボールの大きな魅力でもあります。

    ハンドボールの魅力とは?

    写真提供:ブレイヴキングス刈谷

    写真提供:ブレイヴキングス刈谷

    ハンドボールの華とも言われるシュートは、ジャンプシュートやステップシュート、倒れこみながら打つシュート、スカイプレー(空中でパスを受け取りそのままシュートを打つ)など、さまざまなスタイルがあります。一瞬の間にキーパーと駆け引きし、テクニックを駆使して放たれるシュートは迫力満点。トップ選手になると時速100km以上の速度が出るとも言われています。

    また、身体全体を使ってゴールを阻止するキーパーのファインプレーも会場が盛り上がるポイントの一つ。さらに、速攻や巧みな連携プレー、パス回し、攻守が一瞬のうちに入れ替わるスピード感、相手の意表を突くプレーやフェイントなどいくつもの見どころがあります。

    ハンドボールにはさまざまなルールがありますが、詳しくなくても十分に楽しめるスポーツです。

    トヨタ車体男子ハンドボール部「ブレイヴキングス刈谷」とは

    写真提供:ブレイヴキングス刈谷

    写真提供:ブレイヴキングス刈谷

    「ブレイヴキングス刈谷」は、トヨタ車体株式会社の男子ハンドボールチームです。1967年に創部して以来約60年の歴史を持ち、1992年日本リーグ2部に初優勝して1部へ昇格、2006年にはプレーオフに初出場を果たしました。

     

    高松宮記念杯第12回全日本社会人ハンドボール選手権大会で優勝した時の写真。写真提供:ブレイヴキングス刈谷

    高松宮記念杯第12回全日本社会人ハンドボール選手権大会で優勝した時の写真。写真提供:ブレイヴキングス刈谷

    「ブレイヴキングス刈谷」は、これまでに日本選手権で2回、社会人選手権で4回の優勝を果たし、オリンピックや世界選手権の日本代表選手を多く輩出する名門チームです。

    トヨタ車体男子ハンドボール部「ブレイヴキングス刈谷」の杉岡選手・吉野選手へインタビュー!

    杉岡尚樹選手(左)、吉野樹選手(右)

    杉岡尚樹選手(左)、吉野樹選手(右)

    今回は、社会人スポーツ選手として活躍し、パリオリンピックの日本代表チームにも選出された杉岡尚樹選手・吉野樹選手へインタビューさせていただきました。チームの強さの秘訣やハンドボールへの思い、リーグHへの意気込みについて伺います。

    「ブレイヴキングス刈谷」について

    写真提供:ブレイヴキングス刈谷

    写真提供:ブレイヴキングス刈谷

    – さっそくですが、チームの強みや持ち味を教えてください。

    杉岡選手:「“どのような試合でも全力で戦い、見ている人に感動や勇気を与えられるような試合をする”というのが私たちの使命であり役割だと考えています。それが選手一人ひとりのプレースタイルや戦う姿勢にも出ていて、熱い気持ちで泥臭く戦うのがチームの持ち味ですね。

    プレースタイルでは、フィジカルの強さは国内トップクラスだと思っています。当たり負けしない強い身体を作るためにフィジカルトレーニングを重点的にしているので、堅実な守備をして速攻に切り替えるのが私たちのプレースタイルです。」

    写真提供:ブレイヴキングス刈谷

    写真提供:ブレイヴキングス刈谷

    吉野選手:「デンマーク人のヘッドコーチの下、今シーズンはチャンピオンズリーグ(ヨーロッパで最高峰のリーグ)でプレー経験のあるパウエル・パチコフスキー選手も加入して、今までブレイヴキングスに足りなかったピースが全てそろったと思っています。元々いるメンバーも日本代表経験者が多く、一人ひとりの能力がとても高い状態です。

    なので、選手交代しながらも60分間クオリティの高いハンドボールができるというのは強みだと思います。」

    – 「ブレイヴキングス刈谷」は約60年の歴史がありますが、チームで受け継がれている伝統や風習などはありますか?

    写真提供:ブレイヴキングス刈谷

    写真提供:ブレイヴキングス刈谷

    杉岡選手:「昔のことはあまりわからないのですが、会社にはOBの方々がたくさんいるので話を聞くと、もともとは日本リーグ2部にいたのを、一つずつ勝利を重ねてきた結果、トップクラスにいられる今があると実感します。日本のトップ争いができるようになったのも割と最近で、過去には何回か廃部の危機もあったようです。先輩方が積み重ねてきた歴史の上で私たちがプレーできているので、これから新たな歴史を築いていけるような活躍をしたいなと思います。

    あとは、仕事でもみんなオンオフがしっかりして真面目な人が多いのですが、チームの雰囲気でもそうした一面が反映されていると感じています。」

    写真提供:ブレイヴキングス刈谷

    写真提供:ブレイヴキングス刈谷

    吉野選手:「すごく情熱的なところがチームカラーの一つだと思います。コート外では和気あいあいとしていてラフな雰囲気ですが、コートに入った瞬間、気持ちがガラッと変わるんです。練習中でも本気で喧嘩するくらい気合を入れてプレーしているので、そういうところは日本一を目指すチームにふさわしいと感じます。

    あとは、フィジカルを重視する点も昔から受け継がれている伝統かなと。多分、日本で一番ウエイトトレーニングやフィジカルトレーニングを行うチームだと思います。練習も、めちゃくちゃきつい時も少なくないですね(笑)」

    杉岡選手・吉野選手について

    – お二人はスポーツ選手である一方、会社員でもあります。普段はどのようなお仕事をしていますか?

    杉岡選手:「私は経理部の原価収益管理室に所属していて、普段は他の方の業務をサポートしています。オリンピックなどの国際試合があると1〜2ヶ月は職場を離れてしまうことになるので、出社した時に臨機応変にサポートに入ります。

    また、私の1番の仕事は、ハンドボールで結果を出すことで、職場を元気にしたりコミュニケーションの活性化を図ったりすることが使命だと感じています。ハンドボールに専念できる環境を整えてもらっているので、プレーで還元したいですね。」

    吉野選手:「私は調達部に所属しています。調達部は仕入先とやり取りをして部品を調達するなどの業務がありますが、私はBCP(事業継続計画)の業務に携わっています。BCPは、災害などの緊急事態が起きた時に会社の損害を最小限に抑えつつ、事業の復旧・継続を図るための計画や準備です。

    最近では出社する頻度が少なくなりました。部署の方が私たちの活動を応援してくれていますし、ハンドボールに集中できる環境を会社が積極的に整備してくれたことが大きいですね。皆さんの理解があってハンドボールに打ち込めるので、私も試合で勝つことで還元したいと思っています。」

    – ご自身のプレーの強みを教えてください。

    写真提供:ブレイヴキングス刈谷

    写真提供:ブレイヴキングス刈谷

    杉岡選手:「私のポジションはコートの一番端のレフトウィングです。すごく狭い角度からシュートを打つので、技術や正確性が求められます。また、自分が外側からゴールを決めることで相手のディフェンスを崩すこともできるんです。ディフェンスは身体が大きくて強い選手が多いですが、自分は身体が小さく体重も軽い方なので、その分スピードやジャンプ力、シュートの精度、得点力の高さを武器にしています。今シーズンのシュート成功率では、リーグ1位なんですよ。」

    写真提供:ブレイヴキングス刈谷

    写真提供:ブレイヴキングス刈谷

    吉野選手:「私はレフトバックのポジションで、ディフェンスの上からでも遠くからでもシュートを決められるのは自分の武器です。ただ、最近はそれだけでなくアシストであったり、サイドやポストのポジションの選手を活かしながら、チャンスがあれば自分でも打ったり、司令塔的な役割も担ってきていると思います。昔は自分でシュートを決めるだけだったのですが、段々とマークが厚くなってきたり年齢的にも上になってきたりしているので、最近では試合をコントロールするようなことも意識しています。」

    – 逆に、これから伸ばしたい点、改善したい点はありますか?

    杉岡選手:「私は今年30歳になり、ありがたいことにオリンピックには2回出場させてもらいました。いろいろな経験値が高まってきた中で、新たに『これができるようになりたい』というよりは、安定したコンディションで安定した成績を残す、ということが重要に感じています。調子の善し悪しに左右されず、常に高いパフォーマンスを発揮して良い状態をキープする。そのために日々の生活でも食事内容やケガなどいろいろと気をつけています。」

    吉野選手:「私も年齡による変化が……。段々とシュートが入らなかったり調子に波があったり、小さなケガが増えてきたりしているので、良いコンディションを維持することが今まで以上に重要だと感じています。あとは、戦略的なプレーや司令塔として頭を使うことが求められる一方で、若手の時のようにガンガン攻める姿勢というのも忘れたくないなと思っています。」

    – オフの日はどのように過ごしていますか?

    杉岡選手:「家でコーヒーを飲んでゆっくり過ごすことが多いです。子どもといっしょに出かけることはありますが、特にシーズン中は遠出することはほとんどありません。あとは、散歩も趣味の一つです。歩いていると頭の中が整理できてスッキリしますし、特に都心部だと街がキラキラしていていろいろな人がいるので、楽しいなと感じます(笑)。」

    吉野選手:「休日は心のリフレッシュに充てています。基本的に子どもと遊ぶことが多いですが、自分の時間が欲しい時はカフェに行ったり、オフの前日は少しお酒を飲んだりします。旅行も好きで、この前は宮古島へ行きました。冬は北海道を予定しているので楽しみです。」

    リーグHについて

    写真提供:ブレイヴキングス刈谷

    写真提供:ブレイヴキングス刈谷

    – リーグH(日本国内最高峰のハンドボールリーグ)が9月に開幕しましたが、現在のチームの雰囲気や調子はいかがでしょうか。

    杉岡選手:「8月末に日本の3大タイトルの一つ『全日本社会人ハンドボール選手権大会』があって、そこで優勝できたんです。チームの雰囲気もすごく良くて勝ち続けてこられたのですが、10月に去年のリーグ優勝チームとの試合に、ホームで負けてしまって。そこでチームにも危機感が芽生えたこともあり、もう少し試合の内容的にも良くしていきたいなと感じているところです。」

    杉岡選手・吉野選手が働くフロアには、社員の方がつくった「ブレイヴキングス刈谷」の応援コーナーも。

    杉岡選手・吉野選手が働くフロアには、社員の方がつくった「ブレイヴキングス刈谷」の応援コーナーも。

    吉野選手:「そうですね、最近はチーム内でケガをするメンバーが少し多くて、雰囲気が良くないなと思うこともありました。ただ、その間に普段はレギュラーではないメンバーが試合に出ることで、誰が出ても合わせられるような状態になってきました。今はケガをしたメンバーも復帰できているので、チームとしてまとまってきているし、伸びしろもあると思っています。」

    – ハンドボール選手として感じる競技の魅力や見どころを教えてください

    写真提供:ブレイヴキングス刈谷

    写真提供:ブレイヴキングス刈谷

    杉岡選手:「ハンドボールは、走る・投げる・跳ぶというスポーツの三大要素が全て含まれていて、1試合に30ゴール以上得点が入ることもあるので、スピーディな試合展開が特徴です。ある程度の接触プレーも認められていて、選手同士が接触する音や迫力、一瞬の駆け引き、ゴールのテクニックなども、試合観戦しているうちに引き込まれるポイントだと思います。実際のプレーを見てもらえると、きっと面白くて見入ってしまうので、ぜひ会場に来て臨場感を楽しんでほしいです。」

    吉野選手:「ハンドボールは空中の格闘技とも言われるくらい激しい競技です。ジャンプシュートや身体接触など激しいプレーも多いので、見ている方も興奮できると思います。試合展開も早くて飽きることなく最後まで楽しめます。また、私たちのホーム戦では試合以外にも、光や映像の演出、イベント、グッズ販売など楽しめる企画も用意しているので、ぜひ観戦に来ていただきたいと思います。」

    – 最後に、2025年5月まで続くリーグ戦の目標と意気込みをお願いします。

    杉岡選手:「目標は絶対に『優勝すること』ですね。そうでないとメンバー全員が納得しないですし、ファンや会社の方も私たちがチャンピオンになることを何年も待ってくれているので、日本一になることにこだわります。ただ、勝つことだけでなく試合の内容も高めていけるように、チーム作りや練習に取り組む姿勢も意識的に取り組んでいきたいです。」

    吉野選手:「ブレイヴキングス刈谷はリーグ戦で何年も連続で2位で、1位を逃しているんです。今年はチームに必要なピースが全てそろっていますし、ファンや会社の方々にも熱い応援をいただいているので、結果で恩返しできるように優勝を目指します!」

    トヨタ車体男子ハンドボール部「ブレイヴキングス刈谷」の活躍に注目!

    写真提供:ブレイヴキングス刈谷

    写真提供:ブレイヴキングス刈谷

    ハンドボールはスピード感、迫力を感じられる魅力的なスポーツです。2月以降は愛知県内の体育館で開催される試合もあるため、ぜひ足を運んでみては。

    ブレイヴキングス刈谷はオリンピックや国際試合の日本代表に選ばれた選手が多く、トップクラスの試合を間近で見ることができるでしょう。

    写真提供:ブレイヴキングス刈谷

    写真提供:ブレイヴキングス刈谷

    試合情報やチケットの購入については、公式サイトでチェックしてください。

    ブレイヴキングス刈谷の公式サイトはこちら

     

     

    ※掲載情報は取材時のものになります。
    最新情報は、対象施設・店舗の公式ホームぺージ等でご確認ください。

    ハンドボールはどんな競技?

    [caption id="attachment_8568" align="alignnone" width="1024"]写真提供:ブレイヴキングス刈谷 写真提供:ブレイヴキングス刈谷[/caption] ハンドボールは、バレーボールよりも小さなボールを使用する競技で、「走る・投げる・跳ぶ」の3つの要素がそろったスポーツです。コート上には1チーム7人の選手が出場し、前半・後半各30分で得点の多さを競います。試合中は何度でも選手交代が可能です。 ゴールから6mの距離には半円の線が引かれ、半円の中にはゴールキーパーのみ入ることができます。そのため、シュートの際にはラインを飛び越えながら、着地する前にボールを投げるのが主流です。この大胆なシュートがハンドボールの大きな魅力でもあります。

    ハンドボールの魅力とは?

    [caption id="attachment_8570" align="alignnone" width="1024"]写真提供:ブレイヴキングス刈谷 写真提供:ブレイヴキングス刈谷[/caption] ハンドボールの華とも言われるシュートは、ジャンプシュートやステップシュート、倒れこみながら打つシュート、スカイプレー(空中でパスを受け取りそのままシュートを打つ)など、さまざまなスタイルがあります。一瞬の間にキーパーと駆け引きし、テクニックを駆使して放たれるシュートは迫力満点。トップ選手になると時速100km以上の速度が出るとも言われています。 また、身体全体を使ってゴールを阻止するキーパーのファインプレーも会場が盛り上がるポイントの一つ。さらに、速攻や巧みな連携プレー、パス回し、攻守が一瞬のうちに入れ替わるスピード感、相手の意表を突くプレーやフェイントなどいくつもの見どころがあります。 ハンドボールにはさまざまなルールがありますが、詳しくなくても十分に楽しめるスポーツです。

    トヨタ車体男子ハンドボール部「ブレイヴキングス刈谷」とは

    [caption id="attachment_8572" align="alignnone" width="1024"]写真提供:ブレイヴキングス刈谷 写真提供:ブレイヴキングス刈谷[/caption] 「ブレイヴキングス刈谷」は、トヨタ車体株式会社の男子ハンドボールチームです。1967年に創部して以来約60年の歴史を持ち、1992年日本リーグ2部に初優勝して1部へ昇格、2006年にはプレーオフに初出場を果たしました。   [caption id="attachment_8571" align="alignnone" width="1024"]高松宮記念杯第12回全日本社会人ハンドボール選手権大会で優勝した時の写真。写真提供:ブレイヴキングス刈谷 高松宮記念杯第12回全日本社会人ハンドボール選手権大会で優勝した時の写真。写真提供:ブレイヴキングス刈谷[/caption] 「ブレイヴキングス刈谷」は、これまでに日本選手権で2回、社会人選手権で4回の優勝を果たし、オリンピックや世界選手権の日本代表選手を多く輩出する名門チームです。

    トヨタ車体男子ハンドボール部「ブレイヴキングス刈谷」の杉岡選手・吉野選手へインタビュー!

    [caption id="attachment_8574" align="alignnone" width="1024"]杉岡尚樹選手(左)、吉野樹選手(右) 杉岡尚樹選手(左)、吉野樹選手(右)[/caption] 今回は、社会人スポーツ選手として活躍し、パリオリンピックの日本代表チームにも選出された杉岡尚樹選手・吉野樹選手へインタビューさせていただきました。チームの強さの秘訣やハンドボールへの思い、リーグHへの意気込みについて伺います。

    「ブレイヴキングス刈谷」について

    [caption id="attachment_8573" align="alignnone" width="1024"]写真提供:ブレイヴキングス刈谷 写真提供:ブレイヴキングス刈谷[/caption] - さっそくですが、チームの強みや持ち味を教えてください。 杉岡選手:「“どのような試合でも全力で戦い、見ている人に感動や勇気を与えられるような試合をする”というのが私たちの使命であり役割だと考えています。それが選手一人ひとりのプレースタイルや戦う姿勢にも出ていて、熱い気持ちで泥臭く戦うのがチームの持ち味ですね。 プレースタイルでは、フィジカルの強さは国内トップクラスだと思っています。当たり負けしない強い身体を作るためにフィジカルトレーニングを重点的にしているので、堅実な守備をして速攻に切り替えるのが私たちのプレースタイルです。」 [caption id="attachment_8553" align="alignnone" width="1024"]写真提供:ブレイヴキングス刈谷 写真提供:ブレイヴキングス刈谷[/caption] 吉野選手:「デンマーク人のヘッドコーチの下、今シーズンはチャンピオンズリーグ(ヨーロッパで最高峰のリーグ)でプレー経験のあるパウエル・パチコフスキー選手も加入して、今までブレイヴキングスに足りなかったピースが全てそろったと思っています。元々いるメンバーも日本代表経験者が多く、一人ひとりの能力がとても高い状態です。 なので、選手交代しながらも60分間クオリティの高いハンドボールができるというのは強みだと思います。」 - 「ブレイヴキングス刈谷」は約60年の歴史がありますが、チームで受け継がれている伝統や風習などはありますか? [caption id="attachment_8575" align="alignnone" width="1024"]写真提供:ブレイヴキングス刈谷 写真提供:ブレイヴキングス刈谷[/caption] 杉岡選手:「昔のことはあまりわからないのですが、会社にはOBの方々がたくさんいるので話を聞くと、もともとは日本リーグ2部にいたのを、一つずつ勝利を重ねてきた結果、トップクラスにいられる今があると実感します。日本のトップ争いができるようになったのも割と最近で、過去には何回か廃部の危機もあったようです。先輩方が積み重ねてきた歴史の上で私たちがプレーできているので、これから新たな歴史を築いていけるような活躍をしたいなと思います。 あとは、仕事でもみんなオンオフがしっかりして真面目な人が多いのですが、チームの雰囲気でもそうした一面が反映されていると感じています。」 [caption id="attachment_8558" align="alignnone" width="1024"]写真提供:ブレイヴキングス刈谷 写真提供:ブレイヴキングス刈谷[/caption] 吉野選手:「すごく情熱的なところがチームカラーの一つだと思います。コート外では和気あいあいとしていてラフな雰囲気ですが、コートに入った瞬間、気持ちがガラッと変わるんです。練習中でも本気で喧嘩するくらい気合を入れてプレーしているので、そういうところは日本一を目指すチームにふさわしいと感じます。 あとは、フィジカルを重視する点も昔から受け継がれている伝統かなと。多分、日本で一番ウエイトトレーニングやフィジカルトレーニングを行うチームだと思います。練習も、めちゃくちゃきつい時も少なくないですね(笑)」

    杉岡選手・吉野選手について

    - お二人はスポーツ選手である一方、会社員でもあります。普段はどのようなお仕事をしていますか? 杉岡選手:「私は経理部の原価収益管理室に所属していて、普段は他の方の業務をサポートしています。オリンピックなどの国際試合があると1〜2ヶ月は職場を離れてしまうことになるので、出社した時に臨機応変にサポートに入ります。 また、私の1番の仕事は、ハンドボールで結果を出すことで、職場を元気にしたりコミュニケーションの活性化を図ったりすることが使命だと感じています。ハンドボールに専念できる環境を整えてもらっているので、プレーで還元したいですね。」 吉野選手:「私は調達部に所属しています。調達部は仕入先とやり取りをして部品を調達するなどの業務がありますが、私はBCP(事業継続計画)の業務に携わっています。BCPは、災害などの緊急事態が起きた時に会社の損害を最小限に抑えつつ、事業の復旧・継続を図るための計画や準備です。 最近では出社する頻度が少なくなりました。部署の方が私たちの活動を応援してくれていますし、ハンドボールに集中できる環境を会社が積極的に整備してくれたことが大きいですね。皆さんの理解があってハンドボールに打ち込めるので、私も試合で勝つことで還元したいと思っています。」 - ご自身のプレーの強みを教えてください。 [caption id="attachment_8559" align="alignnone" width="1024"]写真提供:ブレイヴキングス刈谷 写真提供:ブレイヴキングス刈谷[/caption] 杉岡選手:「私のポジションはコートの一番端のレフトウィングです。すごく狭い角度からシュートを打つので、技術や正確性が求められます。また、自分が外側からゴールを決めることで相手のディフェンスを崩すこともできるんです。ディフェンスは身体が大きくて強い選手が多いですが、自分は身体が小さく体重も軽い方なので、その分スピードやジャンプ力、シュートの精度、得点力の高さを武器にしています。今シーズンのシュート成功率では、リーグ1位なんですよ。」 [caption id="attachment_8561" align="alignnone" width="1024"]写真提供:ブレイヴキングス刈谷 写真提供:ブレイヴキングス刈谷[/caption] 吉野選手:「私はレフトバックのポジションで、ディフェンスの上からでも遠くからでもシュートを決められるのは自分の武器です。ただ、最近はそれだけでなくアシストであったり、サイドやポストのポジションの選手を活かしながら、チャンスがあれば自分でも打ったり、司令塔的な役割も担ってきていると思います。昔は自分でシュートを決めるだけだったのですが、段々とマークが厚くなってきたり年齢的にも上になってきたりしているので、最近では試合をコントロールするようなことも意識しています。」 - 逆に、これから伸ばしたい点、改善したい点はありますか? 杉岡選手:「私は今年30歳になり、ありがたいことにオリンピックには2回出場させてもらいました。いろいろな経験値が高まってきた中で、新たに『これができるようになりたい』というよりは、安定したコンディションで安定した成績を残す、ということが重要に感じています。調子の善し悪しに左右されず、常に高いパフォーマンスを発揮して良い状態をキープする。そのために日々の生活でも食事内容やケガなどいろいろと気をつけています。」 吉野選手:「私も年齡による変化が……。段々とシュートが入らなかったり調子に波があったり、小さなケガが増えてきたりしているので、良いコンディションを維持することが今まで以上に重要だと感じています。あとは、戦略的なプレーや司令塔として頭を使うことが求められる一方で、若手の時のようにガンガン攻める姿勢というのも忘れたくないなと思っています。」 - オフの日はどのように過ごしていますか? 杉岡選手:「家でコーヒーを飲んでゆっくり過ごすことが多いです。子どもといっしょに出かけることはありますが、特にシーズン中は遠出することはほとんどありません。あとは、散歩も趣味の一つです。歩いていると頭の中が整理できてスッキリしますし、特に都心部だと街がキラキラしていていろいろな人がいるので、楽しいなと感じます(笑)。」 吉野選手:「休日は心のリフレッシュに充てています。基本的に子どもと遊ぶことが多いですが、自分の時間が欲しい時はカフェに行ったり、オフの前日は少しお酒を飲んだりします。旅行も好きで、この前は宮古島へ行きました。冬は北海道を予定しているので楽しみです。」

    リーグHについて

    [caption id="attachment_8564" align="alignnone" width="1024"]写真提供:ブレイヴキングス刈谷 写真提供:ブレイヴキングス刈谷[/caption] - リーグH(日本国内最高峰のハンドボールリーグ)が9月に開幕しましたが、現在のチームの雰囲気や調子はいかがでしょうか。 杉岡選手:「8月末に日本の3大タイトルの一つ『全日本社会人ハンドボール選手権大会』があって、そこで優勝できたんです。チームの雰囲気もすごく良くて勝ち続けてこられたのですが、10月に去年のリーグ優勝チームとの試合に、ホームで負けてしまって。そこでチームにも危機感が芽生えたこともあり、もう少し試合の内容的にも良くしていきたいなと感じているところです。」 [caption id="attachment_8565" align="alignnone" width="1024"]杉岡選手・吉野選手が働くフロアには、社員の方がつくった「ブレイヴキングス刈谷」の応援コーナーも。 杉岡選手・吉野選手が働くフロアには、社員の方がつくった「ブレイヴキングス刈谷」の応援コーナーも。[/caption] 吉野選手:「そうですね、最近はチーム内でケガをするメンバーが少し多くて、雰囲気が良くないなと思うこともありました。ただ、その間に普段はレギュラーではないメンバーが試合に出ることで、誰が出ても合わせられるような状態になってきました。今はケガをしたメンバーも復帰できているので、チームとしてまとまってきているし、伸びしろもあると思っています。」 - ハンドボール選手として感じる競技の魅力や見どころを教えてください [caption id="attachment_8566" align="alignnone" width="1024"]写真提供:ブレイヴキングス刈谷 写真提供:ブレイヴキングス刈谷[/caption] 杉岡選手:「ハンドボールは、走る・投げる・跳ぶというスポーツの三大要素が全て含まれていて、1試合に30ゴール以上得点が入ることもあるので、スピーディな試合展開が特徴です。ある程度の接触プレーも認められていて、選手同士が接触する音や迫力、一瞬の駆け引き、ゴールのテクニックなども、試合観戦しているうちに引き込まれるポイントだと思います。実際のプレーを見てもらえると、きっと面白くて見入ってしまうので、ぜひ会場に来て臨場感を楽しんでほしいです。」 吉野選手:「ハンドボールは空中の格闘技とも言われるくらい激しい競技です。ジャンプシュートや身体接触など激しいプレーも多いので、見ている方も興奮できると思います。試合展開も早くて飽きることなく最後まで楽しめます。また、私たちのホーム戦では試合以外にも、光や映像の演出、イベント、グッズ販売など楽しめる企画も用意しているので、ぜひ観戦に来ていただきたいと思います。」 - 最後に、2025年5月まで続くリーグ戦の目標と意気込みをお願いします。 杉岡選手:「目標は絶対に『優勝すること』ですね。そうでないとメンバー全員が納得しないですし、ファンや会社の方も私たちがチャンピオンになることを何年も待ってくれているので、日本一になることにこだわります。ただ、勝つことだけでなく試合の内容も高めていけるように、チーム作りや練習に取り組む姿勢も意識的に取り組んでいきたいです。」 吉野選手:「ブレイヴキングス刈谷はリーグ戦で何年も連続で2位で、1位を逃しているんです。今年はチームに必要なピースが全てそろっていますし、ファンや会社の方々にも熱い応援をいただいているので、結果で恩返しできるように優勝を目指します!」

    トヨタ車体男子ハンドボール部「ブレイヴキングス刈谷」の活躍に注目!

    [caption id="attachment_8555" align="alignnone" width="1024"]写真提供:ブレイヴキングス刈谷 写真提供:ブレイヴキングス刈谷[/caption] ハンドボールはスピード感、迫力を感じられる魅力的なスポーツです。2月以降は愛知県内の体育館で開催される試合もあるため、ぜひ足を運んでみては。 ブレイヴキングス刈谷はオリンピックや国際試合の日本代表に選ばれた選手が多く、トップクラスの試合を間近で見ることができるでしょう。 [caption id="attachment_8557" align="alignnone" width="1024"]写真提供:ブレイヴキングス刈谷 写真提供:ブレイヴキングス刈谷[/caption] 試合情報やチケットの購入については、公式サイトでチェックしてください。 ブレイヴキングス刈谷の公式サイトはこちら     ※掲載情報は取材時のものになります。 最新情報は、対象施設・店舗の公式ホームぺージ等でご確認ください。

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    いずの うみ いずの うみ

    愛知県名古屋市在住。コピーライター3年、広告代理店でメディア編集者3年を経てフリーランスへ。金融やSDGs、ファッションなど幅広いジャンルのメディアで編集経験を積む。現在はグルメ・トラベルを中心に取材や執筆を行う。 趣味は旅行、読書、お酒。国内旅行が好きで47都道府県を制覇し、現在は2周目を満喫中。自身でもお酒に関するメディアを運用し、365日文章にふれる生活を送っている。

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