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【展覧会レポート】豊田市博物館「旅するジョウモンさんー5千年前の落とし物ー」へ行ってきました!

【展覧会レポート】豊田市博物館「旅するジョウモンさんー5千年前の落とし物ー」へ行ってきました!

豊田市博物館では、2024年10月12日(土)から12月8日(日)まで開館記念展「旅するジョウモンさんー5千年前の落とし物ー」展を開催中です。

本展では、縄文時代中期に焦点を当て、青森県から鹿児島県まで日本各地の土器や石器、土偶などを一堂に集めています。国宝1点、重要文化財22点を含む約420点もの展示品が並び、縄文時代の生活や文化を深く学べる貴重な機会です。お子様も大人も一緒に楽しめる展示構成になっているので、週末のおでかけにもピッタリ!

今回は豊田市博物館へ行ってその魅力に迫ってきました!

展覧会の概要

約1万年という長く長〜く続いた縄文時代。特に、約5千年前は、地域色が豊かで、火焔型土器をはじめとするユニークな縄文土器を作った人びとが各地で暮らしていました。

その暮らしの中で、縄文人たちが落としていったモノは、遺跡や出土品といった形で今の私たちの前に現れ、暮らしぶりや使っていた道具、共に生きた植物や動物までもが分かるようになってきました。

また、現在の研究では、縄文人は広範囲に交易を展開し、ヒト・モノが日本列島全体を行き来していたことが分かってきています。

そんな縄文人「ジョウモンさん」と、約5千年前の縄文時代を一緒に旅してみませんか?

 

企画展「旅するジョウモンさん —5千年前の落とし物—」

会  期: 2024年10月12日(土)〜12月8日(日)
会  場:  豊田市博物館 展示室1・2
住  所:  愛知県豊田市小坂本町5-80
開館時間:  10:00 ~ 17:30(入室は閉館30分前まで)
休  館  日:  月曜日(祝日は開館)
観  覧  料:  一般 1,200円(1,000円)、高校・大学生 1,000円(800円)、中学生以下 無料
※( )内は20名以上の団体料
※無料対象者:中学生以下、豊田市内在住・在学の高校生、18歳以下・70歳以上の豊田市内在住者、身体障害者手帳などの所持者

 

CONTENTS

    「豊田市博物館」へのアクセス

    豊田市博物館があるのは、豊田市駅・新豊田駅より徒歩15分ほどの場所。豊田市美術館の北隣、豊田東高校跡地にあります。

    豊田市博物館は、歴史や文化、自然、産業などをテーマにした総合博物館です。

    2022年に閉館した「郷土資料館」と、2023年に閉館した「近代の産業とくらし発見館」の機能を受け継ぎ、地元の歴史や文化、産業、自然など広いテーマの収蔵物を展示しています。

    開館後初の企画展!

    「旅するジョウモンさん一5千年前の落とし物 』は、2024年4月26日に開館した豊田市博物館の開館記念展です。

    「縄文」は、人々の心を映す鏡のような存在です。かつては縄文土器の独特なデザインが野蛮だと見られていましたが、それは農耕文化を優位とする古い歴史観の影響でした。しかし戦後、芸術家・岡本太郎の評価や、1990年代の発掘成果によって、縄文人が狩猟採集民としては異例の豊かな生活文化を持っていたことが明らかになり、再評価が進みました。現在、縄文の自由で愛らしいデザインは、若い世代にも親しまれています。

    ジョウモンさんと一緒に「5 千年前の落とし物」を探す「旅」に出かけましょう!

    <ジョウモンさんの設定>

    展覧会を案内してくれるのは長野県(伊那地方)生まれのジョウモンさん。現在は奥さんの実家がある愛知県豊田市の水汲遺跡で家族と暮らしています。結婚前は日本各地を旅していました。

    第1章|ジョウモンさんが生きた時代

    最初の展示では、縄文時代中期(約5500〜4400年前)の人口増加と地方文化の発展に焦点を当て、国宝や重要文化財を含む代表的な土器が紹介されています。

    国宝 《深鉢形土器(火焔型)》 笹山遺跡出土<br>新潟県十日町市 十日町市博物館蔵

    国宝 《深鉢形土器(火焔型)》 笹山遺跡出土
    新潟県十日町市 十日町市博物館蔵

    土器といえば、上の写真のような火焔土器を頭に思い浮かべる方も多いのではないでしょうか。ところが火焔土器が出土するのは新潟県のみ。その中でも、馬方遺跡や笹山遺跡など中越地方を中心とした遺跡から出土する土器なのだそう。

    日本各地で同じ時期に文様や形の異なる土器がつくられていました。

    豊田市指定文化財 《台付深鉢形土器(神明式)》 水汲遺跡出土<br>愛知県豊田市 豊田市蔵

    豊田市指定文化財 《台付深鉢形土器(神明式)》 水汲遺跡出土
    愛知県豊田市 豊田市蔵

     

    国宝の「深鉢形土器(火焔型)」に加えて、豊田市指定文化財である「台付深鉢形土器(神明式)」もぜひチェックしてみてください。こちらの土器は、愛知県豊田市の水汲遺跡から出土したもので、南東北と東海の文様が合体したデザインが特徴です。

    地方ごとの特徴を持ちながらも、他地方の異なる特徴を取り入れており、当時の縄文人たちが地方とも交流を持っていたことがわかります。

    第2章|ジョウモンさん、北へ南へ

    縄文中期は、器の表面に粘土を貼り付けたり、棒で線を引いて装飾性の高い土器が多くつくられた時代でした。

    第2章では、北から南まで、日本列島を たどりながら様々な土器型式を紹介。自然環境に適応した多様な地方文化が反映された土器を展示しています。

    縄文土器は、その形や文様などの特徴が同じである一群をまとめた「〇〇式」として紹介されることが多くあります。

    例えば、展示にある「深鉢形土器(面縄前庭式)」は、その文様や形状が「面縄前庭式」と呼ばれる型式に属します。この分類は、各地域の自然環境や文化に基づいて発展した土器のスタイルを反映しており、縄文時代の多様な地方文化を知る手がかりとなります。

    第3章|ジョウモンさん、住むトコロをさがす

    縄文時代中期の人々がどのようにして住む場所を選んだのかに焦点を当てています。縄文人にとって、周辺で食料や道具の材料が豊富に得られる場所が重要な条件でした。本展示では、当時の人々が実際に食べていたものや、生活に必要な道具に関する遺物が紹介されています。

    縄文時代中期の人々は、食料や道具の材料を得やすい環境を重視していました。房総半島の加曽利貝塚や千葉県の養安寺遺跡からは、貝類や魚、さらにはシカやイノシシの骨などが見つかっており、海の恵みと狩猟を組み合わせた生活が営まれていたことが伺えます。

    さらに、滋賀県の粟津湖底遺跡や入江内湖遺跡では、琵琶湖の豊富な水産資源や丸木舟が使われていたことが確認され、湖畔ならではの生活も展開されていました。こうした暮らしは、現代に通じる部分も多く、縄文人が自然の恵みを巧みに活用し、持続的な生活を送っていたことがわかります。

    色々な地方の土器が出土

    色々な地方の土器が出土

    岐阜県の赤保木遺跡では、北陸や長野の土器が見つかり、人々が山を越えて交流していたことが分かります。また、戸入村平遺跡では、弓矢や石器が出土し、山で動物を狩り、木の実を集めて生活していたことがうかがえます。

    山に囲まれた場所でも、人々は自然の恵みを上手に活用し、豊かな暮らしをしていました。

    「縄文不動産」と題したユニークな展示もぜひ注目!

    豊田市内の縄文時代の遺跡を不動産物件に見立てて紹介しており、例えば豊田スタジアムが見える平屋の一軒家や、広大な敷地の渡刈町の家などが登場します。物件情報には「コンロあり・なし」まで書かれており、思わず笑ってしまうような楽しい展示となっています。

    第4章|ジョウモンさんをトリコにしたもの

    第4章では、縄文時代の装身具として使用されたヒスイやコハクが紹介されています。ヒスイは特に新潟県の小滝川・青海川流域で産出され、当時の人々に装飾品として大切にされていました。

    ヒスイの加工には非常に時間がかかり、竹製の道具と砂を使って研磨されたと言われていますが、その硬さゆえに仕上げるには根気が必要でした。それでも、この貴重な石は日本各地に広まり、北は礼文島から南は沖縄まで広がっていったことが分かっています。

    また、ヒスイと間違えられる他の石を使って模造品が作られた例もあります。ヒスイを象徴する特別な力を手に入れたいとする人々の願いが、このような模造品の製作につながったのかもしれません。

    さらに、コハクも装飾品として珍重されており、北海道から千葉、岐阜などさまざまな地域で見つかっています。これらの貴重な素材は、当時の交易路を通じて人々の手に渡り、縄文時代の文化と共に広がっていきました。

    第5章|ジョウモンさんのココロをみる

    第5章では、縄文時代に生きた人々の心の世界に触れる展示が紹介されています。縄文時代には、土器や石器に加え、ヒトや動物を象った土偶やヘビ、カエルなどの形をした表現物が多く残されています。

    特に土偶は、女性を象ったものが多く、妊娠を示唆するものや、生命の誕生に関わるモチーフが多く見られます。食料となる植物の実りや新しい命の誕生を祈る願いが込められていたと考えられており、その願いは現代の私たちと変わらない、「日々の生活が続くように」というものだったのかもしれません。

    さらに「釣手土器」というユニークな形をした土器も紹介されています。この土器は、手下げ籠のような形状で、祭祀の場や特別な儀式の際に使われたと考えられ、日常生活とは異なるシーンで使用されたものです。香炉のように、特別な時に灯火として用いられていた可能性もあり、縄文人たちの宗教的な側面も垣間見えます。

    第6章|ジョウモンさんはどこへ行った

    第6章では、縄文後期はじめ頃の出土遺物を紹介しています。この頃になると、全国的に遺跡数や住居数が減少します。一方、人口減少ととも に、各地方では自然環境に適応しながら人々の暮らしが続いていました。

    縄文人のすごみは、小さなつながりが地方を越えて広がり、広大な社会的ネットワークを生み出していたことです。現代では、デジタル空間でのつながりが重要視されていますが、縄文時代の人々にとっても、近隣の人々や地域を超えたつながりは大切なものであったと言えます。

    人々がどのような環境を選ぶにせよ、つながりやコミュニティの重要性は、時代を超えて共通しています。

    開館記念展 「旅するジョウモンさんー5千年前の落とし物ー」は、各地のユニークな土器や石器などを一堂に集結し、地域ごとの特色を比較して鑑賞できるまたとない機会です。

    お子様も大人も一緒に楽しめる展示構成になっているので、ぜひ会期中に訪れてみてくださいね。

    丸木舟が再現されたフォトスポット!

    縄文時代の丸木舟が再現されたフォトスポットも大注目!実際に復元された丸木船に乗って撮影ができますよ。

    歴史を感じながら素敵な思い出を残してみてくださいね。

    常設展示も要チェック!

    豊田市博物館では、企画展に合わせて常設展でも縄文時代に関する展示がされています。

    縄文時代っぽい服を着て撮影ができるコーナーもありますよ。
    常設展でも縄文時代の魅力を感じてみてくださいね。

    縄文好き必見のオリジナルグッズ!

    鑑賞後は、ミュージアムショップにも寄ってみてくださいね。縄文好きにはたまらないオリジナルグッズが勢揃い!豊田市博物館では、縄文時代の魅力を感じるアイテムを多数取り揃えています。サコッシュやトートバッグには、土器や土偶のデザインが施されており、普段使いにもぴったりです。

    さらに、かわいい遮光器土偶のキーチェーンや火焔型土器のクッションも登場。縄文時代の歴史を身近に感じながら楽しめるアイテムをお見逃しなく!

     

     

    ※掲載情報は取材時のものになります。
    最新情報は、対象施設・店舗の公式ホームぺージ等でご確認ください。

    「豊田市博物館」へのアクセス

    豊田市博物館があるのは、豊田市駅・新豊田駅より徒歩15分ほどの場所。豊田市美術館の北隣、豊田東高校跡地にあります。 豊田市博物館は、歴史や文化、自然、産業などをテーマにした総合博物館です。 2022年に閉館した「郷土資料館」と、2023年に閉館した「近代の産業とくらし発見館」の機能を受け継ぎ、地元の歴史や文化、産業、自然など広いテーマの収蔵物を展示しています。

    開館後初の企画展!

    「旅するジョウモンさん一5千年前の落とし物 』は、2024年4月26日に開館した豊田市博物館の開館記念展です。 「縄文」は、人々の心を映す鏡のような存在です。かつては縄文土器の独特なデザインが野蛮だと見られていましたが、それは農耕文化を優位とする古い歴史観の影響でした。しかし戦後、芸術家・岡本太郎の評価や、1990年代の発掘成果によって、縄文人が狩猟採集民としては異例の豊かな生活文化を持っていたことが明らかになり、再評価が進みました。現在、縄文の自由で愛らしいデザインは、若い世代にも親しまれています。 ジョウモンさんと一緒に「5 千年前の落とし物」を探す「旅」に出かけましょう! <ジョウモンさんの設定> 展覧会を案内してくれるのは長野県(伊那地方)生まれのジョウモンさん。現在は奥さんの実家がある愛知県豊田市の水汲遺跡で家族と暮らしています。結婚前は日本各地を旅していました。

    第1章|ジョウモンさんが生きた時代

    最初の展示では、縄文時代中期(約5500〜4400年前)の人口増加と地方文化の発展に焦点を当て、国宝や重要文化財を含む代表的な土器が紹介されています。 [caption id="attachment_8178" align="alignnone" width="1024"]国宝 《深鉢形土器(火焔型)》 笹山遺跡出土<br>新潟県十日町市 十日町市博物館蔵 国宝 《深鉢形土器(火焔型)》 笹山遺跡出土
    新潟県十日町市 十日町市博物館蔵[/caption] 土器といえば、上の写真のような火焔土器を頭に思い浮かべる方も多いのではないでしょうか。ところが火焔土器が出土するのは新潟県のみ。その中でも、馬方遺跡や笹山遺跡など中越地方を中心とした遺跡から出土する土器なのだそう。 日本各地で同じ時期に文様や形の異なる土器がつくられていました。 [caption id="attachment_8207" align="alignnone" width="1024"]豊田市指定文化財 《台付深鉢形土器(神明式)》 水汲遺跡出土<br>愛知県豊田市 豊田市蔵 豊田市指定文化財 《台付深鉢形土器(神明式)》 水汲遺跡出土
    愛知県豊田市 豊田市蔵[/caption]   国宝の「深鉢形土器(火焔型)」に加えて、豊田市指定文化財である「台付深鉢形土器(神明式)」もぜひチェックしてみてください。こちらの土器は、愛知県豊田市の水汲遺跡から出土したもので、南東北と東海の文様が合体したデザインが特徴です。 地方ごとの特徴を持ちながらも、他地方の異なる特徴を取り入れており、当時の縄文人たちが地方とも交流を持っていたことがわかります。

    第2章|ジョウモンさん、北へ南へ

    縄文中期は、器の表面に粘土を貼り付けたり、棒で線を引いて装飾性の高い土器が多くつくられた時代でした。 第2章では、北から南まで、日本列島を たどりながら様々な土器型式を紹介。自然環境に適応した多様な地方文化が反映された土器を展示しています。 縄文土器は、その形や文様などの特徴が同じである一群をまとめた「〇〇式」として紹介されることが多くあります。 例えば、展示にある「深鉢形土器(面縄前庭式)」は、その文様や形状が「面縄前庭式」と呼ばれる型式に属します。この分類は、各地域の自然環境や文化に基づいて発展した土器のスタイルを反映しており、縄文時代の多様な地方文化を知る手がかりとなります。

    第3章|ジョウモンさん、住むトコロをさがす

    縄文時代中期の人々がどのようにして住む場所を選んだのかに焦点を当てています。縄文人にとって、周辺で食料や道具の材料が豊富に得られる場所が重要な条件でした。本展示では、当時の人々が実際に食べていたものや、生活に必要な道具に関する遺物が紹介されています。 縄文時代中期の人々は、食料や道具の材料を得やすい環境を重視していました。房総半島の加曽利貝塚や千葉県の養安寺遺跡からは、貝類や魚、さらにはシカやイノシシの骨などが見つかっており、海の恵みと狩猟を組み合わせた生活が営まれていたことが伺えます。 さらに、滋賀県の粟津湖底遺跡や入江内湖遺跡では、琵琶湖の豊富な水産資源や丸木舟が使われていたことが確認され、湖畔ならではの生活も展開されていました。こうした暮らしは、現代に通じる部分も多く、縄文人が自然の恵みを巧みに活用し、持続的な生活を送っていたことがわかります。 [caption id="attachment_8195" align="alignnone" width="1024"]色々な地方の土器が出土 色々な地方の土器が出土[/caption] 岐阜県の赤保木遺跡では、北陸や長野の土器が見つかり、人々が山を越えて交流していたことが分かります。また、戸入村平遺跡では、弓矢や石器が出土し、山で動物を狩り、木の実を集めて生活していたことがうかがえます。 山に囲まれた場所でも、人々は自然の恵みを上手に活用し、豊かな暮らしをしていました。 「縄文不動産」と題したユニークな展示もぜひ注目! 豊田市内の縄文時代の遺跡を不動産物件に見立てて紹介しており、例えば豊田スタジアムが見える平屋の一軒家や、広大な敷地の渡刈町の家などが登場します。物件情報には「コンロあり・なし」まで書かれており、思わず笑ってしまうような楽しい展示となっています。

    第4章|ジョウモンさんをトリコにしたもの

    第4章では、縄文時代の装身具として使用されたヒスイやコハクが紹介されています。ヒスイは特に新潟県の小滝川・青海川流域で産出され、当時の人々に装飾品として大切にされていました。 ヒスイの加工には非常に時間がかかり、竹製の道具と砂を使って研磨されたと言われていますが、その硬さゆえに仕上げるには根気が必要でした。それでも、この貴重な石は日本各地に広まり、北は礼文島から南は沖縄まで広がっていったことが分かっています。 また、ヒスイと間違えられる他の石を使って模造品が作られた例もあります。ヒスイを象徴する特別な力を手に入れたいとする人々の願いが、このような模造品の製作につながったのかもしれません。 さらに、コハクも装飾品として珍重されており、北海道から千葉、岐阜などさまざまな地域で見つかっています。これらの貴重な素材は、当時の交易路を通じて人々の手に渡り、縄文時代の文化と共に広がっていきました。

    第5章|ジョウモンさんのココロをみる

    第5章では、縄文時代に生きた人々の心の世界に触れる展示が紹介されています。縄文時代には、土器や石器に加え、ヒトや動物を象った土偶やヘビ、カエルなどの形をした表現物が多く残されています。 特に土偶は、女性を象ったものが多く、妊娠を示唆するものや、生命の誕生に関わるモチーフが多く見られます。食料となる植物の実りや新しい命の誕生を祈る願いが込められていたと考えられており、その願いは現代の私たちと変わらない、「日々の生活が続くように」というものだったのかもしれません。 さらに「釣手土器」というユニークな形をした土器も紹介されています。この土器は、手下げ籠のような形状で、祭祀の場や特別な儀式の際に使われたと考えられ、日常生活とは異なるシーンで使用されたものです。香炉のように、特別な時に灯火として用いられていた可能性もあり、縄文人たちの宗教的な側面も垣間見えます。

    第6章|ジョウモンさんはどこへ行った

    第6章では、縄文後期はじめ頃の出土遺物を紹介しています。この頃になると、全国的に遺跡数や住居数が減少します。一方、人口減少ととも に、各地方では自然環境に適応しながら人々の暮らしが続いていました。 縄文人のすごみは、小さなつながりが地方を越えて広がり、広大な社会的ネットワークを生み出していたことです。現代では、デジタル空間でのつながりが重要視されていますが、縄文時代の人々にとっても、近隣の人々や地域を超えたつながりは大切なものであったと言えます。 人々がどのような環境を選ぶにせよ、つながりやコミュニティの重要性は、時代を超えて共通しています。 開館記念展 「旅するジョウモンさんー5千年前の落とし物ー」は、各地のユニークな土器や石器などを一堂に集結し、地域ごとの特色を比較して鑑賞できるまたとない機会です。 お子様も大人も一緒に楽しめる展示構成になっているので、ぜひ会期中に訪れてみてくださいね。

    丸木舟が再現されたフォトスポット!

    縄文時代の丸木舟が再現されたフォトスポットも大注目!実際に復元された丸木船に乗って撮影ができますよ。 歴史を感じながら素敵な思い出を残してみてくださいね。

    常設展示も要チェック!

    豊田市博物館では、企画展に合わせて常設展でも縄文時代に関する展示がされています。 縄文時代っぽい服を着て撮影ができるコーナーもありますよ。 常設展でも縄文時代の魅力を感じてみてくださいね。

    縄文好き必見のオリジナルグッズ!

    鑑賞後は、ミュージアムショップにも寄ってみてくださいね。縄文好きにはたまらないオリジナルグッズが勢揃い!豊田市博物館では、縄文時代の魅力を感じるアイテムを多数取り揃えています。サコッシュやトートバッグには、土器や土偶のデザインが施されており、普段使いにもぴったりです。 さらに、かわいい遮光器土偶のキーチェーンや火焔型土器のクッションも登場。縄文時代の歴史を身近に感じながら楽しめるアイテムをお見逃しなく!     ※掲載情報は取材時のものになります。 最新情報は、対象施設・店舗の公式ホームぺージ等でご確認ください。

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    豊田・みよし・長久手の地域情報・お店情報をお届けするWEBマガジン「まちクル」の編集部です。 編集部イチオシの情報や新店舗情報など、皆さまの暮らしに役立つ情報を発信しています。

    SHOP DATA

    • 豊田市博物館
    • 住所

      愛知県豊田市小坂本町5丁目80

      MAP

    • 開館時間

      10:00〜17:30(入場は17:00まで)
    • 休館日

      月曜日(祝日は開館)、12月28日から翌年1月4日、展期替え期間
    • URL

    ライフ カルチャー 公共施設 豊田 こどもと一緒 駐車場あり

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