犬？猫？ペットによって異なる家づくりのポイント

ペットと一口に言っても、犬と猫では暮らし方が大きく異なります。それぞれの性格や行動パターンに合わせて、家づくりを考えることが大切です。ここでは犬の場合と猫の場合の家づくりのポイント、また家族みんなが心地良く暮らせる工夫をご紹介します。

犬と暮らす家づくりのポイント

犬と暮らす家づくりでは、家族との一体感と快適な動線設計が鍵になります。リビングを中心に家族と過ごせる空間を意識しつつ、玄関近くに足洗い場を設けると、散歩帰りも清潔を保てます。

庭やウッドデッキに続くテラスを設計すれば、外遊びや日向ぼっこができる癒しの時間にもなるでしょう。床は滑りにくい素材を選び、階段や段差には安全対策を施すことも大切です。また、来客時などに落ち着ける“犬専用スペース”を用意しておくと、安心して暮らせる住まいになります。

猫と暮らす家づくりのポイント

猫と暮らす家では、上下の移動ができる工夫と安心できる隠れ場所を意識した設計が大切です。キャットウォークや壁面ステップを設けて高い位置へ自由に行き来できるようにすると、猫の運動不足やストレスを防げます。また、窓辺に日向ぼっこスペースを作り、安全柵を設置して外を眺められるようにするのもおすすめです。

玄関やベランダの扉には脱走防止の二重ロックを採用し、静かで落ち着ける個室を用意すれば、安心して過ごせる環境が整うでしょう。

家族みんなが心地よく暮らせる工夫

ペットとの暮らしを快適にする家づくりは、家族全員が心地良く過ごせる家づくりでもあります。ペットの動線や安全を考えた設計は、子どもや高齢者にもやさしい設計につながります。滑りにくい床材や段差の少ない間取り、風通しのよい空間は、住む人すべてに快適です。ペットの居場所を家族のそばに設けることで、自然と家族間のコミュニケーションも増えるきっかけにもなるでしょう。

また、災害時にもペットと離れず過ごすために、建物の構造や太陽光発電システム、蓄電池など、在宅避難できる環境を整えることも大切です。

ペットと人が快適に暮らすための10のポイント

間取りや素材選びなど、ちょっとした工夫を施すことで、ペットと人の快適さが大きく向上します。ここでは、犬や猫の習性に配慮しながら、日々の暮らしをより豊かにする10のポイントを具体的にご紹介します。

ポイント1.　床材選び：滑りにくく傷に強い素材を選ぶ

ペットと暮らす注文住宅では、まず「床材選び」が重要です。犬や猫は、一般的なフローリングのように滑りやすい床だと足腰に負担がかかり、関節を痛める原因になります。特に小型犬や老犬は滑ることでケガをすることもあるため、滑りにくくクッション性のある床材を選びましょう。

おすすめは「ペット対応フローリング」や「コルクタイル」「クッションフロア」など。これらは防水性・防汚性にも優れ、爪跡がつきにくいのが特徴です。猫の飼育では、爪が引っかかりにくい素材を選ぶと安心です。

さらに、床暖房対応のタイプにすれば、冬場もペットが快適に過ごせる温もりのある住まいになります。

ポイント2.　ニオイ対策：換気と消臭素材で快適空間をキープ

ペットと暮らす上で気になるのが「ニオイ」です。トイレや動物特有のニオイは部屋に染み付きやすく、放置すると部屋全体に広がってしまう可能性も。そのため、換気と消臭を両立させることが大切です。

24時間換気システムを採用して空気を循環させるほか、壁材に「消臭機能付きクロス」や「珪藻土」を使用すると、自然に臭いを吸着・分解できます。さらに、玄関やリビングに「空気の通り道」を設ける間取りにすると、常に新鮮な空気が保たれます。

ビルトイン空気洗浄機やイオン発生機を設置するほか、ペット用の空気清浄機を置く場所をあらかじめ設計に組み込んでおくのもおすすめです。見た目を損なわず、快適な空気環境をキープできます。

ポイント3.　ペット専用スペースの設計

ペットにも「自分だけの安心できる場所」が必要です。犬ならケージやベッドを置ける静かなコーナー、猫なら外の音を気にせずくつろげる隠れ家のような空間が理想的。注文住宅では、階段下や収納下のデッドスペースを活用してペット専用エリアを設けるケースが増えています。

また、トイレや餌置き場を動線の邪魔にならない場所に配置することも重要です。リビングの一角に設ける場合は、目立たないようカウンター下や家具の裏側に組み込むと、空間をすっきり見せられます。ペットが安心して過ごせる“自分の居場所”を確保することで、無駄な鳴き声やストレスを減らす効果も期待できます。

ポイント4.　動線の工夫：ペットもストレスなく動ける間取り

犬は毎日の散歩や家の中で遊んだり、猫は部屋を自由に移動したがったりするため、動線設計もペットの快適さを左右します。例えば、玄関や勝手口近くに「足洗い場」を設ければ、散歩帰りでも清潔な状態で家に入れます。また、リビングを中心に回遊できる間取りにすると、犬や猫が自由に動き回れ、運動不足やストレスの軽減にもつながります。

階段には滑り止めをつけたり、段差を少なくする工夫も忘れずに。猫の場合は、上下の動線も考えたキャットウォーク設計やくぐり戸のついたペットドアを設置するのがおすすめです。

ポイント5.　外とのつながり：ドッグランやキャットテラスの活用

ペットにとって外の空気を感じることは、心のリフレッシュになります。広めのバルコニーを設ける場合は、人工芝を敷いてドッグラン風にしたり、猫のために安全柵付きの「キャットテラス」をつくったりするのもおすすめです。

外を眺めたり日向ぼっこをしたりする時間は、ペットにとって大切な癒しになります。設計時にはフェンスの高さや隙間に注意し、脱走防止策を万全にしましょう。庭への出入り口には網戸やドアロックを設けると、安全と開放感を両立できます。

ポイント6.　壁・クロスの工夫：傷・汚れを防ぐ素材選び

犬や猫と暮らす家では、壁の傷や汚れ対策も重要です。ペットの爪や体が壁に当たっても傷つきにくいよう、耐久性の高い壁材を選びましょう。特に人気なのが「腰壁」スタイル。壁の下半分（床から腰ほどの高さまで）にキズ防止パネルを貼ることで、掃除がしやすく見た目にも美しい空間になります。

また、防汚・抗菌・消臭機能付きのクロスを採用すれば、ニオイやアレルゲンの発生を抑え、衛生的な環境を維持できます。猫の場合、爪とぎ防止に漆喰や珪藻土などの自然素材を使うのもおすすめです。インテリア性と機能性を両立させることで、長く快適に暮らせる住まいになります。

ポイント7.　窓と採光の工夫：日向ぼっこスペースを作る

猫はもちろん、多くの犬も日向ぼっこが大好きなため、日中に穏やかな日差しが差し込む場所は、ペットにとって最高のリラックス空間です。出窓や床近くの窓を活かして「ペット専用の陽だまりスペース」を設けると、お気に入りの場所になります。

猫の場合は、高い位置にキャットウォークを設置して、窓辺へ自由にアクセスできるようにするのも良いでしょう。外を眺めることは、猫にとって精神的な刺激となり、ストレス解消にもつながります。犬にとっても、外の様子を感じられる窓辺は安心感を与えてくれます。採光と眺望を工夫し、光あふれる温かな空間を作りましょう。

ポイント8.　安全対策：脱走・誤飲・転落を防ぐ工夫

快適な住まいを実現するには、安全対策が欠かせません。特にペットは好奇心旺盛なため、思わぬ事故が起きる可能性も十分にあります。キッチンや階段など危険な場所にはペットゲートを設け、誤飲や転落を防止しましょう。

また、バルコニーや窓には安全柵を取り付け、隙間を小さくするなどの脱走対策も重要なポイント。収納扉の取っ手も、猫が開けられない構造にすると安心です。床材のつなぎ目や小さな段差にも注意し、特に高齢のペットが滑らないように配慮しましょう。

日常生活の中で安全を守る工夫を取り入れることで、ペットも人も安心して過ごせる住まいが実現します。

ポイント9.　音とプライバシー：防音対策で安心の空間を

犬や猫の鳴き声・足音は、飼い主にとっては気にならなくても、近隣には響きやすいものです。注文住宅では、防音設計を取り入れることで快適さが格段にアップします。リビングや寝室のドアを防音仕様にしたり、壁に吸音材を使うと効果的。

さらに、ペットが落ち着ける静かな部屋を設けると、来客時や掃除中の避難スペースにもなります。犬が吠えやすい状況を避けるために外の音を遮る工夫を、猫には静かで安心できる環境を提供することが大切です。音への配慮は、ペットと人のストレスを軽減し、より穏やかな暮らしを育みます。

ポイント10.　メンテナンス性：掃除・お手入れがラクな家

毎日の掃除やお手入れをラクにする工夫は、長く快適に暮らすための基本です。ロボット掃除機が使いやすいように段差をなくし、コード類を壁面収納にまとめることで、掃除の手間がぐっと減ります。

汚れやすい水回りには防水性の高い素材を使い、毛の絡みにくい床材を選ぶのもポイント。収納スペースを十分に確保し、ペット用品をまとめて置けるようにすると、生活感を抑えたスッキリした空間に。手入れのしやすさ＝清潔さの持続です。人もペットも快適に暮らすためには、日々のメンテナンスを考えた設計を意識すると良いでしょう。

とよたハウジングガーデンにはペット共生住宅を体感できるモデルハウスも

大和ハウス工業「xevoΣPREMIUM」のキャットステップ

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各モデルハウスでは、ハウスメーカーが提案する優れたデザインや設備、間取りを比較しながら、自分たちに合った住まいを体感できます。中には、キャットステップや犬用スペースなどを設け、実際にペットとの暮らしをイメージしやすいモデルハウスも。家づくりのノウハウを持った担当者に素材や動線設計、間取り、機能などを直接相談できるのは大きな魅力です。

どのハウスメーカーも、ペットとの暮らしを想定した提案もしてくれるので、気軽に相談してみては。

アールプランナー「アールギャラリー」の犬用スペース。リードやおもちゃをフックで収納できて便利。

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